みずほのシステム障害について考える

つれづれに
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みずほ銀行は28日、全国のATM(現金自動出入機)やネットバンキングで障害が起き、一部利用者が預金引き出しなどをできなくなったと発表した。

みずほ銀行と言えば、過去色々な銀行が合併し、システムもごちゃごちゃだったことから、大きな障害に見舞われることが多い銀行という印象があります。しかし、その反省からシステムを刷新して現在に至ります。そして今回の障害です。本当についてないなと思います。

こういうケースでは、当たり前のように金融庁などの国の機関が介入してきて、銀行へ原因や再発防止の報告を求めることになります。システム障害のたびにこれをやっているにも関わらず、システム障害は起こり続けているわけですから、意味のないことをしていると私は考えています。

そもそも、システム障害は必ず起こります。どんなに堅牢なシステムを多額のお金をかけて作ってもシステム障害はさけられません。

その理由は「人が作っているから」です。

これは物でも同じで、不良品や故障がさけられないのと同じです。

システム障害が起こっている状況というのは、ほぼ「想定外」のことが起きている状況です。後から調べればその原因はわかりますから、金融庁へはその原因と対策を報告すれば終わりです。そしてまた、時が経つと「次の想定外」のことが起きます。

つまりいくら「今回の原因と対策」を説明させても意味はないわけです。私が必要だと思えるのは、今後同様のシステム障害が行ったときにどう行動するか?といった危機管理が必要だということです。

今回の事例でも、カードや通帳が戻らなくなり、ATMの前でずっと待たされる人々が存在しました。ずいぶん時間が経ってからみずほ銀行側から、後で返却する旨の発表がありましたが、ずいぶんお粗末な対応でした。あらかじめどう行動し、どうメッセージを出していくかを考えておく必要があります。

365日24時間動き続けるシステムが理想なのはわかります。しかし、ここで書いたように人が作っている以上0にはできません。マスコミは、障害を起こしたシステムをこれでもかといわんばかりに叩きます。国は障害を起こしたシステムを運用している会社を呼び出して報告を求めます。システムを作ったベンダーは急に呼び出され原因が判明するまで帰れなくなります。国民からはクレームがあがります。

異常な状態だと思いませんか?

もちろん海外でもシステム障害は起きてはいますが、ここまで晒しものになってつるし上げられるようなことになったという話は聞きません。クレジットカードが半日使えなくなっても、電車が30分くらい遅れてもちょっと困るけど「あまり気にしない」「あたりまえ」と思っている人が多いんじゃないでしょうか?

日本人が思う品質に対する要求に答えられるようなシステムを製造できるところは存在するだろうか?と思います。問題があって赤字になってもシステム障害をリカバリーできる体力のある会社でなければ請け負うことは不可能でしょう。そして、それが現在の多重請負、ITゼネコンを生み出しています。若くて優秀な技術者は日本で技術力を発揮することに意義を見失います。最終的に日本のデジタル化が遅れることになっていきます。

システム障害を正当化しているわけではありません。粛々とかつ迅速に調査をして修正すべきです。おそらくブラックな環境(期間/体制)でシステムが作成されています。ただ、いざシステム障害が発生したときの周囲の反応の異常さについては疑問に思います。

自分の資産を一行だけに頼らず、分散して管理しなければ酷い目に遭うかもしれないということを改めて感じさせる出来事でした。

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