日本のデジタル化が遅々として進んでいません。政府はデジタル庁などを作って大臣が一生懸命にトップセールスしていますが、順調ではなく苦労していますね。
答えは簡単で、国民にしても企業にしても導入することの相応のメリットが見いだせないからです。
マイナンバーカードを作ったら便利になりましたか?どれくらい使っていますか?とか。
企業なら、そのコンピュータシステムを導入したらどれくらい効果がありましたか?とか。
デジタル化したものの、具体的に効果が実感できなければ、無駄な投資になってしまいます。正直これまで、その無駄な投資がどれくらいあったのかを考えると怖いです。
なんでもコンピュータがやることになってしまうと、これまで人間がやっていた仕事がコンピュータに奪われるということもあるでしょう。人間は大きな変化が苦手です。変化に追随しながら生きていくのは大変なことです。どうしても安泰を望んでしまいます。そうなるとデジタル化は悪ということになってしまいます。主に官公庁でデジタル化が進まない理由の一つですね。公務員いらないとなるのが怖いのです。仕方ないですよね、人間ですから。
最近、親のマイナンバーカードの申請を手伝ったり、e-taxで還付申告をしましたが、非常に簡単に終わります。やはりデジタル化は人を楽にしてくれます。
しかし、マイナンバーカードの申請のあとのポイントの受け取り方が煩雑で、親には理解できない迷宮世界だったり、e-taxの還付先を今回始めてマイナンバーカードに紐づけた公金受け取り口座にしてみたのですが、確認のメールに受け取り講座の一桁だけ表示されていなかったり(ちゃんと還付できるんだろうか?)…なんだか本当に困ったなぁということが起こっているのも事実です。
なんだかつらつらと書いてしまいましたが、まとめると…
- デジタル化したことのメリットが見いだせない
- デジタル化すると自分の仕事が奪われる
- デジタル化するとかえって面倒になることが多い
という感じです。それ以外に
- 日本はこれまでIT技術者を大切に扱ってこなかった。仕事がIT土方ばかりではIT技術者が減るばかり
- IT投資が盛んだった2000年前後に適切な投資ができなかった
ということもあるかもしれません。
今後もデジタル人材や増やしたり、デジタル化を推し進める必要はあります。待ったなしの状況です。
しかし、ややデジタル化に消極的で安全志向の日本人のメンタリティに合わせて推進する必要があります。住基カードの大失敗を取り返すように、やや強引にマイナンバーカードの施策を推し進めているように見えるのが痛々しいです。そして、今一度日本人にとって本当にデジタル化は必要なのか?どこに何を投資するか?きちんと考えないと裏の利権関係者だけが儲かって、多くの国民にとっては無駄な投資が増えるばかりです。
最近の流行り言葉にDX(Digital Transformation)があります。デジタル化とよく似た言葉ですが、DXの目的は、デジタルを導入して人間が良い方向に変革することです。ただデジタル化しただけとか、デジタル化したものの手順が面倒になっただけでは意味がありません。
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